西町頑固堂書店のオヤジに対抗して、ホンのご紹介

        「ノーストリリア」を読んだのが、ちょうど10年前。人類補完機構というサ
      ブテーマに、何かしら興味を惹かれての試し買いでした。

         一人の少年が、祖先の遺したコンピューターを使って、一晩
         で巨万の富を築く 。 惑星ノーストリリアに住む彼は、その財
         で地球という惑星を買いとったことから、その物語は始まる。
         彼はある事情から地球へ行かざるを得ず、そこで知り合った
         美しい猫娘と共に、並外れた冒険を強いられることとなる・・・










     「ノーストリリア」に登場
    する少年ロッドマクバンと、
    外星からの客をもてなすた
    めに生まれた猫人間ク・メ
    ルのイメージ。(ファンの方、
    もし見てたらご免なさいよ)



     ちなみにロッドは、地球
    では雄猫の下級民に姿を
    変えていた。

ロッドとク・メル

        スミス氏の作品の中では、比較的「長編」の部類に入る、この「ノーストリ
      リア」。いや実にすごい。独創的かつ壮大で、色彩鮮やか、「?」だらけの語
      句を巧みな文章リズムと小気味よい言葉づかいで操り、不思議な世界を創
      りだしているのです。
        以後、あわててこの作者の著書を買いあさりました。 いや、漁りたかった
      のですが、

      「第81Q戦争」
        ~作者14歳の時の標題作をは
            じめとする珠玉の短編集
      「鼠と竜のゲーム」
        ~人類補完機構の未来史を背
            景に綴る傑作短編集

      「シェイヨルという名の星」
        ~ 抒情豊かで神秘的な魅惑
            の中・短編集

      の計4冊しか手に入らないのです。

                    各本の表紙を、恐る恐る紹介
                    (頑固堂のオヤジから、著作権
                    問題は極めてデリケートだと、
                    くれぐれも言われている)
 ハヤカワ文庫のスミス作品

        それもそのはず、外交官であり、大学教授であり、心理学者であり、陸軍
      大佐であった、6か国語を話すこの稀有の作家は、53歳でこの世を去って
      いました。
        全く惜しい。 ストルーンなる不老長寿の薬、第六ドイツ帝国、ピンライター
      やスキャナーたちが乗る、平面航法による宇宙渡航、動物下級民に改造人
      間・・・ 出来ればその短い生涯、この「人類補完機構」シリーズを書きあげて
      いただきたかった。
        とは言え、まだお目にかかってない既発表作品もあるようなので、そのうち
      邦訳されて、読める日を待ち焦がれているのです          (2002.3.25)