近頃、やたらと気前のよい(気のする)観光庁から、またまた補助金の新メニューが届き、国内外旅行者の継続的な来訪や、消費額の向上につながる「地域・日本のレガシー形成の促進」を目的とする事業への募集がありました。

  今年度は、「地域におけるレガシーの形成」を促進するための可能性調査や、その調査結果を踏まえた計画等を作成するもので、いわゆるソフト事業となります。

  内容としては、その地域で輝いていた時代の建築物や文化を、あるいは脈々と受け継がれてきた自然・景観、食、文化、遺産、伝統技術などを再現し、活用していく取組を進めるものです。

  わが市において、こうした「レガシー」を謳える地域は・・・・・・・・  ありました!

  その起源は鎌倉時代から、およそ800年続くと云われる湯平温泉です。

  湯平温泉は、江戸時代には余裕のある富裕層など、限られた人が湯治に訪れていましたが、明治になってからは庶民の間でも湯治が最高の療養方法とされ、胃腸病に効くとの評判もあり、次第に多くの人が訪れる温泉地となっていきました。

  江戸時代に作られたとされる石畳の道は、湯平温泉が歩んできた歴史の蓄積を感じられる遺産として、また地元住民の生活道として湯平温泉独特の情緒を醸し出しています。

レガシー
 温泉場の中央を流れる花合野川や青緑の山々に囲まれた自然景観といった、古き良き日本の温泉地の風景が今なお遺っていることに加え、石畳の坂道に沿って立ち並ぶ旅館や商店、路地裏の趣ある景観は、日本人の心の琴線に触れ、懐かしさを呼び覚ます独特な情景です。

  令和2年に北部九州を襲った豪雨災害で、由布市・湯平も壊滅的な被害を受け、尊い人命が失われました。花合野川護岸は崩壊、代名詞の共同温泉も災害を被り、本来の景観を損なってしまいましたが、復旧と新たな復興のため、官民一体となった奮励努力をしているところです。

  そんななか、復興を果たしたのちに再スタートする、湯平温泉場の新たな転換期であるとの認識から、湯平温泉観光協会、旅館組合の方々を訪ね、この事業への取り組みを打診した次第です。

  今後、湯平温泉にとって「あるべき姿、進むべき道」については、皆さんも危機感を抱いており、とにかく、時宜にかなったこの補助事業に応募してみることになりました。(なにせ10割という最高補助率ですし・・・)

  話し合いの末、まずは湯平温泉の歴史に立ち返るとともに、人が憩い、癒される環境づくりと、歴史や伝統を意識した新たな湯平温泉場の景趣形成による、「温故知新の心にふれる温泉場」の構築を目指すことになりました。

  旅行者も地元民も、皆が集える拠点施設とする空き旅館の改装や歴史資料館など、既にいろいろなアイデアが呈されましたが、とにかく今年度は「新たなレガシー実現」のための計画づくりを行わなければなりません。

  事業採択の結果は来月・・・・・万一「却下」であったとしても、やはりこうした地域計画は作っておかねばなりません。たとえ補助金などいただかなくても、できるだけお金を使わず、制約にとらわれず、自由気ままに、みんなで創っていきましょう!

  とはいえ、いただけるものならぜひお願いします(-_-;) >観光庁御中

   (2022.6.24)













  この地、湯平には、俳人「種田山頭火」や「車寅次郎」(男はつらいよ第30話「花も嵐も寅次郎」編)も訪れています。
山頭火と寅さん